ダーク&ノイズ
コオーン……
暗い山にくぐもった音が響き渡った。
三日月が雲に隠れ、そよいでいた風がぴたりと止まる。虫たちは一斉に鳴くのを止め、遠くに鳴いていた犬はその口を塞いだ。
コオーン……コオーン……
伝説の音に山が身震いするように静まり返る。それは遠くまで鳴り響いて、寝静まる街にまで届いた。
息の上がった悠美は全て人形を打ち付けると、疲労困憊したようにその場に座り込んだ。
毛糸を束ねて作ったその人形たちは、打ち付けられた藁人形に比べれば数段愛嬌があったが、それでも釘に貫かれるとその愛嬌がかえって気味悪い。
その人形の数を数えてみる。するとその数は四体しかなかった。
(ひとつ足りない)
確かに五体作ったはずだ。間違いは無い。
(もしかして……)
さっき転んだのを思い出した。それしか考えられない。あそこで一体が袋から飛び出したのだ。
暗い山にくぐもった音が響き渡った。
三日月が雲に隠れ、そよいでいた風がぴたりと止まる。虫たちは一斉に鳴くのを止め、遠くに鳴いていた犬はその口を塞いだ。
コオーン……コオーン……
伝説の音に山が身震いするように静まり返る。それは遠くまで鳴り響いて、寝静まる街にまで届いた。
息の上がった悠美は全て人形を打ち付けると、疲労困憊したようにその場に座り込んだ。
毛糸を束ねて作ったその人形たちは、打ち付けられた藁人形に比べれば数段愛嬌があったが、それでも釘に貫かれるとその愛嬌がかえって気味悪い。
その人形の数を数えてみる。するとその数は四体しかなかった。
(ひとつ足りない)
確かに五体作ったはずだ。間違いは無い。
(もしかして……)
さっき転んだのを思い出した。それしか考えられない。あそこで一体が袋から飛び出したのだ。