ダーク&ノイズ
ドアが開く音がする。それでも悠美は目を開けなかった。

「悠美、早く起きてよ。どうせ仮病でしょ」

希里は見透かしたようにそう言った。狭い部屋は訪れた五人で埋め尽くされ、もはや逃げ道は無い。

悠美は覚悟を決めて目を開けた。

開けた瞬間、思いも寄らぬ声が部屋に響き渡った。

「ハッピーバースデー悠美!」

(え?)

にこやかに覗き込む五人を代表して、夏美がリボンをかけられた大きな袋を差し出した。

「誕生日プレゼント。昨日皆で学校休んでアルバイトして買ったんだぜ」

「そうそう、スケベ親父のセクハラ攻撃に我慢してね」

「暑くて大変だったんだから」

(忘れてた……)

あっけに取られた悠美を急かすようにのぞみが袋を開けると迫る。

「早く早く、ビックリするから」

「う、うん」

驚きのあまり、悠美はとっさに喜びを表現できなかった。希里たちは悠美のプレゼントを選ぶために、あんな行動を取っていたのだ。

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