ダーク＆ノイズ

目の前で笑い転げる友人を見て、その笑顔が無くなってしまうかも知れないという不安。いや、それよりも誤解とはいえ、友人に呪いをかけてしまった自分への嫌悪だ。

しかし現にここに全員居ると言うことは呪いの効果もなかったのだ。

過ちとして忘れるしかないと納得しよう。心の中で謝りながら、悠美は自分にそう言い聞かせていた。


｢ねえ、何の音？｣

話の中で、のぞみがふとそんな事を口にした。

｢アタシも気になってた｣

そう同意する真知子は部屋を見渡して音を探っている。

｢外からじゃないの？｣

立ち上がった希里が窓へ足を向けると、引かれたままのカーテンを開け放った。4時半とはいえ、夏の日差しがまだ強い。悠美は差し込んできた光に目を細めた。

だが、他の連中は思いも寄らない反応を見せた。


いや、正確には夏美を除く四人だ。


｢うわ、暗っ！｣

｢ええ、もうそんな時間？｣

悠美と夏美は何を言ってるのだろうかと、その言葉を疑った。窓の外に広がる景色はまだわずかばかり赤みを含んだ程度で、とても暗いと言える空ではない。

｢なに？　メッチャ明るいじゃん｣

夏美が首を傾げながら希里と肩を並べた。

時計を見て時間を確認しようとする真知子が声を上げる。

｢ねえ、電気つけていい？｣