ダーク&ノイズ
入り口で待ち構えていた警備員が川田らを見つけると、そのまま警備室へと案内した。そこに少女らを確保しているという。

「大丈夫ですか?」

入るなり、進藤は少女らを気遣うように丁寧に言葉をかけた。

悠美たちはバツが悪そうに遠慮がちに頷いたが、その顔色からも相当精神的にダメージを受けていることは明白だった。

「状況を説明してもらおうか」

川田はこの中に犯人がいると踏んでいる。呪いなどとは頭から考えてはいなかった。

「夏美がドーナツショップを出て行ったすぐです」

のぞみが話し始めてすぐだった。川田は容疑者を尋問するような口調で鋭く遮る。

「どこのドーナツショップだ?」

「え? あの、二階の」

「先に言え」

その言いように真知子が早くも愚痴を挟んだ。

「ナンだよ、その言い草」

「黙って答えてればいいんだ。お前たちのやってることなんざすぐに裏が取れるんだぞ。少年院にすぐ行くか?」

川田の口調は厳しいものだった。脅しを交えて小娘を黙らせることなど、長年の警察経験をもってすればたやすいものだ。

「で、そのドーナツショップを出てからどうしたって?」

再び手帳を開いて真知子に詰め寄った。

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