ダーク&ノイズ
「だから、また音が聞こえたんだよ。お凛の──」

「お凛はもういい! まともに話せないのか?」

「だから話してんじゃん!」

「そんなものは無い」

「だからあったんだってば!」

川田は大きく舌打ちすると「じゃあそのまま話せ」と言って、四人の話を聞いていた。時折り馬鹿にするように首を傾げるが、それでも最後まで話を聞くと、最後に大きくため息をついた。

「まあ、どこまで本当か知らんが……」

眉を上げて手帳を閉じると、警備員に声を掛ける。

「すいません、アレを見せてもらって良いですか?」

「はい、どうぞ」

警備員は席を外すと、そのモニターの前の席を川田に差し出した。

プレイボタンを押すと、ホール内のエスカレーターが映し出される。正面からロングショットで撮られている画像だ。

次々と降りてくる買い物客が途切れたその時、そこにブレザー姿の少女が映し出された。

「夏美!」

悠美は思わず声を上げた。ついさっきまで一緒に居たのに、今や遠い存在になってしまった気がする友人だ。途端に苦しいほどの懐かしさが胸を衝く。

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