ダーク&ノイズ
悠美の話はつじつまが合ってるようで、おかしな点がやはりある。
木下裕子がかけた呪いが降りかかったのは確かだとすると、その前日に一人死んだことに合点がゆかないのだ。
木下裕子が呪いをかけたのは昨夜。
それ以前に誰か別の人間が呪いをかけている可能性があるということだ。
「なあ悠美、誰かに恨まれるようなこと無かったか?」
「そんなの……」
ありすぎて答えられないというのが本音だが、ひとつ心当たりがあるのは
「木下──」
「いや、それ以外にだ」
悠美の答えは間違ってはいない。それは琢己には分かりすぎるほど分かっている。
だが、他にも答えがある。
黙り込んだ悠美を見つめて、琢己は自分の質問の愚かさに気づいた。
(それを知ってどうなるってんだ)
その犯人を突き止めたとしても、悠美の呪いがとけるわけではない。
脱力したようにベンチの背もたれに体をあずけ、天を仰いだ。
木下裕子がかけた呪いが降りかかったのは確かだとすると、その前日に一人死んだことに合点がゆかないのだ。
木下裕子が呪いをかけたのは昨夜。
それ以前に誰か別の人間が呪いをかけている可能性があるということだ。
「なあ悠美、誰かに恨まれるようなこと無かったか?」
「そんなの……」
ありすぎて答えられないというのが本音だが、ひとつ心当たりがあるのは
「木下──」
「いや、それ以外にだ」
悠美の答えは間違ってはいない。それは琢己には分かりすぎるほど分かっている。
だが、他にも答えがある。
黙り込んだ悠美を見つめて、琢己は自分の質問の愚かさに気づいた。
(それを知ってどうなるってんだ)
その犯人を突き止めたとしても、悠美の呪いがとけるわけではない。
脱力したようにベンチの背もたれに体をあずけ、天を仰いだ。