不機嫌マーマレード
母親な私
「ただいまぁ」



小さな声で囁くように言うと、まだ寝ぼけ眼の一樹が出迎えてくれた。



「遅いよ、この不良!」



「ごめんね・・・」



一樹は今年中学3年生になった私の息子だ。



この子が2歳の時に夫を事故で亡くし、母一人、子一人の生活を送っている。



いわゆる母子家庭というやつだ。



夫が突然居なくなったのはとてもショックだったが、最近ではその気持ちも薄れてきている。
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