不機嫌マーマレード
家に帰ってから一樹が私の様子を伺っているのが気になった。


大丈夫だよ。と伝えてやるとホッとして自分の部屋に戻っていった。


何を言われたのか心配だったのだろう。


体だけは大きくなったけど、やっぱり子供だな。


今日はこんなに明るい時間から家にいられるわけだし、夕飯は久しぶりに腕を振るおうか。


いつもは簡単なものしか作らないせいか、感覚が鈍ってる。


お米を研ごうと流しに立つと、一樹が手伝う、とやってきた。


大雑把なO型の私に似てこの子もそうだと思っていたのだが、意外にもテキパキと家事をこなしている。


いつの間にこんなに成長したのだろう。
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