黄龍
*
「露暴!」
紗里はバケツのような頭を持つロボットに勢いよく抱きついた。
頬や手に触れる感触は冷たく固いはずが、何故か温かく感じた。
「ゴ心配オカケシマシタ」
露暴はよろけながらボタンの様に丸い目を細めて礼を言う。
胡弓が路地裏を去ってからしばらく。
戦いの中でバラバラになった部品が復元され、ようやく露暴は目を覚ました。
「どこか部品が足りないところとかはない? 私、ちゃんと回収できてたかな」
「ハイ、問題アリマセン!」
露暴は紗里の心配に、切れの良い敬礼の仕草で答えてみせた。
「後は久遠が治ったら元通り……かな」
紗里が振り返ると、ベッドに腰掛けて二人を見ていた久遠が苦笑いを浮かべて片手をあげる。
漂流者は傷の治りが早い。
あの戦いでついた外傷は既に治りかけていた。しかし負傷した肋骨はまだ不安定で、いくら治りが早いとは言え、久遠は安静を余儀なくされていた。
紗里はバケツのような頭を持つロボットに勢いよく抱きついた。
頬や手に触れる感触は冷たく固いはずが、何故か温かく感じた。
「ゴ心配オカケシマシタ」
露暴はよろけながらボタンの様に丸い目を細めて礼を言う。
胡弓が路地裏を去ってからしばらく。
戦いの中でバラバラになった部品が復元され、ようやく露暴は目を覚ました。
「どこか部品が足りないところとかはない? 私、ちゃんと回収できてたかな」
「ハイ、問題アリマセン!」
露暴は紗里の心配に、切れの良い敬礼の仕草で答えてみせた。
「後は久遠が治ったら元通り……かな」
紗里が振り返ると、ベッドに腰掛けて二人を見ていた久遠が苦笑いを浮かべて片手をあげる。
漂流者は傷の治りが早い。
あの戦いでついた外傷は既に治りかけていた。しかし負傷した肋骨はまだ不安定で、いくら治りが早いとは言え、久遠は安静を余儀なくされていた。