それぞれの恋の結末






―――…私たちは戦に勝てなかった。



柊の率いる水軍の力が上だったのだ……



だから、せめてと思い父に願い、哉匡を私の側近として連れて行くことにした。




……誰も、私をわかってくれる人なんていない。
もちろん、友人と呼べる人も居ない。



手紙を書いても、誰に出していいのか分からない……。



苦しくて、死にそうで……、
そう、まるで水から出されてしまった金魚のように、ただ息苦しくてもがくだけ。




………私、人を好きになってはいけないの?
誰か、教えてください。




私の運命を……。






『姫様、大変ですわ!只今、医務室より連絡がありまして………、哉匡様が柊家の者に襲われたとっ!』



「っ!?」







バタバタバタ……、




「哉匡っ!」



『大丈夫ですよ、姫様』




 自室で休んでいた牡丹の元に駆け込んできた乳母は、息巻きたったかのように哉匡の事について話してきた。

それを聞いた牡丹は、すぐさま医務室まで急いだ。
そして哉匡の名を呼びながら、入ってきた牡丹に医師は笑顔を向け、大丈夫だと口にする。


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