それぞれの恋の結末
それは過去のお話
――――……、
なぜ、『和平条約』のために会ったこともない、
話したこともない人と結婚しなければいけないの?
……私は貢ぎ物でしょうか?
好きな人が居るのに、
その人に『好き』と伝えることも出来ず、
私は親の言うなりになるしか無いのですか……?
「失礼します、姫」
「哉匡(なりまさ)!姫と呼ばないでっ!私とあなたは幼馴染みなのでしょうっ!? 牡丹と呼んでっ!」
「乳母。姫はお疲れのようです、煎茶を……」
『まぁ、それは大変ですわ。すぐにご用意いたしますね』
――――……、
「姫、あと一月で柊家へ嫁ぐのですから、もう少しおしとやかに……」
「私の結婚を勝手に決めないでっっ!」
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