ガールズ・トーク

智子と里美はいつも
お互いの恋愛の話や
仕事の話をしていた。

大学の入学式で、
隣同士に座って以来、
12年間楽しい時間も
一緒に過ごしてきた。

卒業してからも
時間さえ合えば
一緒に遊んでいた。

里美の両親が交通事故に
遭った時は、
智子が立ち会ってくれた。

葬儀の時も、何かと
気を使いオロオロとしている
里美の側で準備を手伝っていた。

悲しい時に
一緒に泣くのではなく、
一緒に笑ってくれた。

人は親が死のうが
お腹は空くし
誰かが笑えば
自分も笑いたくなる。

しかし、その感情を
覚える自分に罪悪感を
感じてしまう。

そんな非日常の中で
智子が日常をくれた。


人は悲しい時でも
笑うことが大切なんだと
気付かせてくれた。

里美にとって智子は
そんな存在だった。

だから、心から幸せに
なって欲しいと願っていた。

そんな智子が今苦しんでいる。
迷っている。

だから、里美は彼女の
側にいたい。
少しでも、彼女の淋しさを
紛らわせたい。
そう思っていた。