トドケモノ 【短】
{宅急便でーす。}
その返答にビクッと肩が震えた。
…宅急便。
きっと、彼からの『ごめん』だ。
いらない、って言ったのに。
モノで償われても、虚しいだけなのに。
{冨永さーん?}
…受け取りたくないな。
でも、受け取らなきゃ配達のお兄さんも困るよね…。
泣きだしたい気持ちをおさえ、あたしは扉をあけた。
『……心晴。』
扉の前にいたのは、配達のお兄さんではなく、キャップを深くかぶった……直だった。