紅い空の向こう


男は私の手を引く。



『おいで。お前は父さんと行くんだよ。』



父さん?




この大きい男が?




じゃあこれが【人間】?




『お母様…。』



『行きなさい。』



『いや!!』



『いつでも会えるわ。さあ、行きなさい。』





男が私を屋敷の外へと引っ張っていく。




まぶたに冷たいものが触れてまたたくまに消えた。
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