そこは不思議な世界Ⅰ〜始まりの歌とウサギの陰謀〜
「ブロンドだと、ロリータの方が似合うんだよね」
オレは何のコトやらさっぱりだったが、木村さんはしたり顔で頷いていた。
「オレは、リュート・ザクス」
あ、完全男だ。
「ふぅん、よろしく」
つい、と木村さんが手を差し出した。
すると、リュートは少し顔をしかめて、その手をさっと握った。
そして、あっという間に離すと、真っ黒なパニエで拭った。
「失礼な」
「潔癖症なのよ」
けっ、と木村さんはリュートを睨んだ。
「こればっかりは許してくれるかしら」
女の子以上に完璧な「女の子」はすまなそうに言った。
「…手袋でもすりゃいいんだよ」
木村さんは不快そうに呟いた。
「あ、ヨロシク。
鈴鹿です、で、こっちは木村奏です」
自己紹介してねぇな、と思いつつ、名前のみ教える。
「改めてよろしく、鈴鹿、奏」
リュートはスカートのポケットからレースグローブを取り出しながら言った。
…え、グローブ!?
「持ち歩いてるに決まってるでしょ」
オレは何のコトやらさっぱりだったが、木村さんはしたり顔で頷いていた。
「オレは、リュート・ザクス」
あ、完全男だ。
「ふぅん、よろしく」
つい、と木村さんが手を差し出した。
すると、リュートは少し顔をしかめて、その手をさっと握った。
そして、あっという間に離すと、真っ黒なパニエで拭った。
「失礼な」
「潔癖症なのよ」
けっ、と木村さんはリュートを睨んだ。
「こればっかりは許してくれるかしら」
女の子以上に完璧な「女の子」はすまなそうに言った。
「…手袋でもすりゃいいんだよ」
木村さんは不快そうに呟いた。
「あ、ヨロシク。
鈴鹿です、で、こっちは木村奏です」
自己紹介してねぇな、と思いつつ、名前のみ教える。
「改めてよろしく、鈴鹿、奏」
リュートはスカートのポケットからレースグローブを取り出しながら言った。
…え、グローブ!?
「持ち歩いてるに決まってるでしょ」