クリ-ミ-ココア
「気まずい?誰と誰が?」


あっけらかんとした口調で言うイズミ君に


手の中でコロコロ遊ばせていたクリーミーココアの缶を止める。



「比奈こっち向いて?」



少し体をこっちに向けたイズミ君が私の肩に手を置いた。



「ひぃーな?比奈ちゃーん」



首を横に振り続ける私にイズミ君は子供をあやすように話す。



今はダメ……


泣きそうな顔見られちゃう。



「じゃあそのままでいいから聞いてくれる?」



その言葉にコクンと頷く。


肩から手を離し頭をゆっくり撫でるイズミ君に嫌な気持ちは全然しない。
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