クリ-ミ-ココア
ゆっくり体を離すと空気が体に触れて体温が下がっていくのがわかる。



寒い……


あいつの腕の中あったかかったな…。


もう少し傍にいたいかも。

触れていたい。


不覚にもそんな事を思ってしまったけど。


この感情は素直な気持ちで…


苦手なはずなのに


今はもっと近くに寄りたくて…


肌に触れたくて


寂しい気持ちになった。


これって可笑しいことなのかな?


嫌いなのに、苦手なのにそう思っちゃうって…




あいつはズボンのポケットから何かを取り出し


「ひよこ」



私の名前を静かに呼ぶ。
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