クリ-ミ-ココア
名前を呼ばれピクっと反応すると、あいつの右手が口元に近付いて来て……


…見なくてもわかる。


何をするのか。


私の体が覚えてるんだもん

染み付いてるんだもん


勝手に反応して……


少し口を開けた。



カラン……



歯に辺りながらも口の中に入れられたのを確認すると舌でゆっくり転がす。



その瞬間、慣れてるはずなのに心地よい味が口の中に溢れ出した。



その行為を見届けると、あいつはスタスタと歩きだし自分の家に入って行ってしまった。



私は甘い甘いココア味の飴を大切に舐めた。
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