クリ-ミ-ココア
「イズミ君…」



席に案内されたイズミ君は、顔の横で手招きをしている。



「可愛い」



私がテーブルの前まで来ると頭の上から床まで眺めた後、イズミ君が口を開いた。



「あ…りがと…」



恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じながら俯く。



「列んでる時から皆騒いでたよーメイドの子が可愛いって!」

「学園美少年美少女コンテスト候補に入ってんだから当たり前だろ!」



イズミ君と一緒に来た友達が騒ぐ。



そうだった………。


嫌なイベント思い出しちゃったよ。


一気に体から力が抜ける。


学園美少年美少女コンテスト


ふざけた名前だ。


セリが考えたに違いないよこのネーミング。


候補の人は生徒や明日来る一般の人に投票されるんだった…。
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