クリ-ミ-ココア
「比奈この後、お店手伝うの?」



少しの沈黙の後、イズミ君が話しかけて来た。



さっきまでの鋭い声色は感じられない、いつものイズミ君。



「……もー終わりだよ?」



戸惑いながら声を出す。



あんなイズミ君初めて見た。


まだ心臓がバクバクしてるよ。



「なら着替えてきなよ。皆見てるし目立ちすぎ」


「……うん。そーする。」



私のシュンとした態度に立ち止まって話し掛ける。



「そんな格好…可愛すぎて他の奴らに見せたくないし。」



またさらっと恥ずかしい言葉を口にする。



顔が熱くなりながらコクンと頷いた。



「その後、俺のクラス行こ?美味しいケーキあるよ」



ケーキ??


確かイズミ君のクラスは家庭室借りてケーキ作ってるんだったよね。



「うわ…行きたい!」



私のキラキラな瞳を見たイズミ君は優しく笑った。
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