クリ-ミ-ココア
「俺のも食べる?」



まだ口を付けていないケーキが私の前に差し出された。



「でも…」


「俺、味見で今までに沢山食べたから」



ニコッと笑うイズミ君に遠慮なく2つ目のケーキに手を付けた。



「見てて気持ちいねー」



私を眺めるイズミ君は終止ニコニコしている。


私はイズミ君を見ながら

笑顔が似合う。


改めてそう感じた。



「生クリーム付いてるよ。」



イズミ君はそう言ってティッシュを渡してきた。



うっ……欲張りすぎた。


恥ずかしい。



ティッシュを受け取って慌てて口元を拭く。



…………あいつなら


あいつならこんな一目なんか気にもせず


さっきみたいに……



「どーしたの?顔赤いけど」


「なんでもないよっ」



なんで思いだしただけで心臓バクバクしてるの?
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