クリ-ミ-ココア
「ゲホッ…ゴホッッ…」



口の痛みと体に駆け巡る熱さと……


立ってられなくてよろける。


咄嗟にあいつは私の腕を掴んでベットに座らせた。



「悪い…口切れたな」



驚いたのか少し冷静になったあいつの落ち着いた声。




私はクラクラする頭で



生まれて初めて……



隣にいるあいつに



自分からキスをした。



「――っ…」



声にならない声があいつの口から漏れる。




短いキスには、血の味がした。



唇を離すと見開いたあいつと目が合う。



「……おまじない。」



お酒のせいで息が上がる私はそう言って体を離した。



いつもしてくれるおまじない。


私はおまじないをされると落ち着くの。


だからあいつにも同じ事をした。
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