クリ-ミ-ココア
私から言葉を遮っちゃいけない気がして、イズミ君が話すのを黙って待つ。



「………俺に……」


「え?」



余りにも突然で、声が小さくてこの距離がもどかしくて…だけど近づけなくて…



スカートの端をギュっと握りしめた。



ゆっくり顔を上げたイズミ君と目が合う。


力強くて真っすぐ見つめる瞳に心臓がドキドキした。


「…入る隙間なんてなかったんだよな。」



入る隙間………


何の話……



「余裕こいてた俺がバカだった…」



ははっと力無く笑うイズミ君に言葉がでない。



いつもと様子が違うイズミ君に怖ささえ感じる。



寒さからか背中がゾクリと駆け巡った。
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