クリ-ミ-ココア
「比奈…気付いてる?………気付いてたら俺のそばにいねーか…はは」



そう言ってまた空気が抜けたように笑った。



「諦めたわけじゃねーけど、入る隙間ないならどうする事も出来ないよな。」



ゆっくり立ち上がって私に近付く。



「俺は……」



見上げたイズミ君が悲しそうな顔をしていて…


思わず私の腕が動く。


イズミ君の顔に向かって。


けど次の言葉で私の腕は力無く下におりた。



「前に話したの撤回する。」


「てっ…かい?」



イズミ君の言葉を理解しようと頭の中の記憶を蘇らせてみる。


でも全然わからない。



「恋也にはがっかりしたって言った言葉をさ。」


「えっ…」


「撤回する。」
< 349 / 383 >

この作品をシェア

pagetop