クリ-ミ-ココア
「まぁ…いい。」



静かに呟くとあいつは私の横を通りすぎた。



待って…!!


そう叫びたいのに声がでない。


いやだ。いかないで。


久しぶりに会えたのに…


久しぶりに目が会って、声が聞けたのに。


まだ私は何も話せてないよ…


なにか言わなきゃ。


なにか。


何でもいいから何か話さなきゃ!


けど声が出なくて…




「……もしかして誤解してない?」



ソウタ君が口に手を当てて呟くも、涙で視界がぼやけて声がでない私の耳には入ってこなかった。




私が“泣き虫ひよこ”になるのはあんたの前だけなのに…



こんなにもボロボロなんだよ?


……気付いてよ。


ねぇ、振り返って私を見て。



私におまじないしてよ…。
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