クリ-ミ-ココア
「あの…あんま時間ないんで手短に……」



きっと昇降口にはあいつがいる。



「うん。そのつもり俺もバイトあるし」



「そうですか…」



私達の会話の合間にも帰っていく生徒がイズミ君に声をかける。



下級生からも人気あるんだな。


しかも皆、イズミ君とか呼んじゃってタメ口だし。


もしかしたらこんな話し方って私だけなのかもしれない。


あいつやソウタ君は私達1年からしたら、キャーキャー騒がれて話し掛けにくい存在だけど


イズミ君は人懐っこいのか皆から慕われてるみたい。


同じ人気者でもこうも違うんだね…



「どっちが彼氏なの?」



「…………はい?」



ぼーっとしていた私はイズミ君の顔を見上げた。


目を真ん丸にして。
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