一緒にお勉強
「なんか甘いの食べたくなってきた」
今、食ったじゃねえかよ。無言で俺は洋平を睨む。洋平は気にも止めない。
「なあ、もっかい購買行ってプリン買わね?」
「あと5分で授業だっつの」
「ちょっとくらいばれないって」
ばれないといい根拠なき自信を是非とも説明していただきたい。
「ちぇー、なんだよ。帝は固いな」
「お前が緩すぎるんだと思うぞ」
「……そう?」
「おかげでどんだけ俺が振り回されてるか……ああ思い出したら腹立ってきた」
「ちょっ」
そこでベルが鳴る。
机を片付けて、洋平はそそくさと教室を出ていった。
結局行くのかよ。
ばかじゃねえの、次の先生、すげえ遅刻に厳しいんだぜ。
どうせ知らねえんだろうけどな。
“なんで友達なの”
さあ。わからん。
けど居心地が悪いわけじゃあないんだ。
「やべー、忘れてた。帝、お金貸して」
「嫌」
良いともいえねえけどな。