一緒にお勉強
「やっぱお前、馬鹿なんだな」
「そんな失礼な……」
呆れる寮生と軽いショックを受けた洋平の隣を、別の寮生が歩いていく。
洋平があわてて引き留めた。
「あっ、なあ!帝見てない?」
「霧山あ?……なに、お前ついに愛想つかされたわけ?」
「皆して俺をなんだと思ってんの!?」
その時、洋平の携帯電話が鳴る。
「お前……廊下で鳴らすなよ……」
廊下は通話禁止であるにも関わらず、洋平は電話を取った。
「もしもし。……帝!?よかった……今ど……えっ ちょっ なに!?怒鳴りすぎ……」
携帯電話から雷のような怒声が響いてくる。
『お前!!!ふざけんなよ今どこにいんだよ!!!』
「どこって……さっきまで帝探してて……」
『はあ!?4時に図書館集合って言ったのお前じゃねえか!!!』
「え……図書館?」
間の抜けた表情をする洋平。
『忘れてたのか?』
「あ……実は……」
『忘れてたなんつったら俺はお前をコロスかもしれん』
「おおお覚えてる!めっちゃ覚えてる!いましっかり思い出した」
『忘れてんじゃねえかよ!!あと15秒以内に来い』
そして電話が切られた。