一緒にお勉強
購買につくなり、販売のおばちゃんと話してた洋平がうなだれていた。
「帝、ピザパン一つしか残ってないって」
「?買うだろ普通に」
「あの、それって……」
「俺の」
「だよねー……」
洋平は力なく笑ってピザパンの袋をつまみ上げた。
俺はパックジュースを取ろうとして、その横の棚にあるお菓子になんとなく目をやった。
――なんか辛いもん食べたいな。
「あ、ハバネロあんじゃん。これでいいよ」
「えー、おれハバネロ食えない。辛いの嫌いなんだ」
俺が手にとったハバネロの袋を見て、洋平が眉を歪めた。
「お前が食うんじゃないからいいだろ」
「俺の金なのに……」
洋平の"俺、ハバネロ嫌いなんだ"
と
妹尾の"ハバネロとヨーグルみたい"
という台詞がかぶった。
「……確かに、気は合わねんだろーなあ……」
「なんか言った?」
会計を済ませた洋平が、俺の分の食い物を手渡してくる。
「お前さあ、ヨーグル好き?」
「好き。甘いの大好きなんだ。あっ、買う?」
「いらねーし」
「てか購買に駄菓子って売ってなくね?」
俺と洋平は購買を後にした。
授業が近づいているので早足になる。