君の声。
voice1
【悠斗side】
柔らかなピンク色が
校舎全体を包んでいた。
まだ、着慣れない
制服を着た新入生たちが初々しい。
「あぁ、ダリ」
全く、どうして高校なんか
行かなきゃならいんだか。
「悠斗さぁ、入学式くらい
楽しそうにしたら?」
「うっせ。おまえ
ここが楽しそうに見えるか?」
「いいや、見えん」
なんだか、ガリの勉が
多そうなこの学校に
俺と司(つかさ)が
馴染むはずなかった。