君の声。
「待てッ」
ちょっと強すぎたみたいだ。
パシィ
と、乾いた音がした。
それでも俺は
陽の手をつかんで
離さなかった
陽は手を必死で振りほどこうとする
男の力に
勝てるわけないのに
次第に陽は
泣きそうな顔になった
すると突然
司が ヒョイ と陽を抱き上げた
「キャー」とか
「お姫様抱っこだ・・・いいなぁ」
とか
クラスの女子が悲鳴を上げる
舌打ちさえする者もいた
「俺がつれてく♪」
司はさっそうと立ち去った
王子様。
みたいだった。