君の声。


「待てッ」

ちょっと強すぎたみたいだ。

パシィ

と、乾いた音がした。


それでも俺は
陽の手をつかんで
離さなかった



陽は手を必死で振りほどこうとする


男の力に
勝てるわけないのに


次第に陽は
泣きそうな顔になった



すると突然
司が ヒョイ と陽を抱き上げた


「キャー」とか

「お姫様抱っこだ・・・いいなぁ」
とか

クラスの女子が悲鳴を上げる


舌打ちさえする者もいた



「俺がつれてく♪」

司はさっそうと立ち去った



王子様。

みたいだった。






< 49 / 62 >

この作品をシェア

pagetop