COLORS番外編 ★ 夏色
花火なんて毎年見ているのに、今年は格別のような気がする。
ドドドドドド……
連続仕掛け花火が打ち上がった。
「「ぅぉ~」」
「「綺麗~」」
この屋上は、歓声に包まれた。
あれだけあったお菓子の山が、ゴミの山と変わっている。
クライマックスは、今まで以上に夜空が白い光りを放つ。
1時間ちょっと
あっという間の一時
これで、この夏も終わり……だな。
賑やかだった空も屋上も一気に寂しさを募る夜に。
「今日はありがとうね」
「七海、今日は何処泊まるの?」
ずっとムッツリしていた李樹がようやく口を開いた。
「従姉妹のお姉ちゃんの家にね」
「そっか。気を付けて帰れよ」
この暗い道を一人で帰すのか!?
「李樹、駅まで送ってやれよ?」
「大丈夫よ、祐希くん」
「行くぞ」
「あ、うん。じゃね」
七海さんは、ムッツリ李樹に手をひかれ、俺たちの前から消えた。
「俺らも帰ろっか」
「そだね」