COLORS番外編 ★ 夏色
李樹と肩を並べ、ダラダラと学校へと向かう。
「あ、そうだ。今日夜8時に屋上集合な」
「なんで!?」
「なんでじゃないよ、毎年夏恒例のバスケ部のイベントだから」
「聞いてないし」
そりゃ、そうだよ。長期休みっていうと、海に行っちゃうだろうよ。
「今、初めて言った」
「嫌だね」
我儘な奴……
「ダメだ部長命令」
「卑怯だそ!? こんな時ばかり部長の権限使うのは。」
「悔しかったらお前も早く部長になれや」
「………」
「じゃ、そういう事で」
いつの間にか学校についていたらしく、玄関先で強引に彼と別れた。
教室に入ると、涼香は本城たちと涼しい顔して喋っているし。
……はぁ
彼女の目にも留まる事なく、ドカッとカバンを机に置き、そのままカバンを枕にする。
「祐希くん、学校は寝床じゃないよ?」
さっきまで、窓辺にいた涼香がやってきた。
「うるさい!!」
俺が教室に入ったの気が付いていたのね?
「あっそ」
それだけ言ったらまた、女子グループの輪に消えていった。