COLORS番外編 ★ 夏色
フンだ。
今朝は置いてきぼりにしたくせに。
なんだか、最近涼香の存在遠いんだよなぁ。
まさか、新しい男が出来たとか…!?
んな、わけ……ないよな?
「能村、ちょっと話がある。今いいか?」
そんな事を考えていると、タイミング悪く武瑠(タケル)が現れた。
「佐伯くんどうしたの?」
「ここじゃ……」
そういうなり武瑠は、チラッと横目で俺を見てから彼女の手をひいて教室から出た。
えっ!? マジで?
気不味い空気を作っちまったから追いかける気にもなれない。
……情けねぇ。
二人は、HRに戻って来ることはなかった。
「篠原、追いかけなくていいの?」
ウツになっているところへ本城がやってきた。
「俺にそんな資格ねぇよ」
「あるよ。涼香の彼でしょう?」
「多分」
俺自身最近分からねぇんだよ
「また喧嘩したの?」
「してはいないけど……なんかさ、最近涼香の存在が遠いんだよなぁ?」
ポツリポツリと胸の内を本城に語り出す。
「――……ふーん、ようするにマリッジブルーってわけね?」
「そんなんじゃ――」
そうなのか?
「早く籍入れちゃいなよ? 男のマリッジブルーなんて聞いた事ないから」
それだけ言ったら、本城は自分の席に戻って行った。