COLORS番外編 ★ 夏色
夕暮れ時
さて、いつまでも落ち込んでいたって仕方ないし。
気を取り直していきますか?
太陽がまだ東側に傾いている時間に学校は終わり、涼香と肩を並べて下校中。
「涼香は今日誰と行くの?」
「うん、明菜ちゃんたちと行こうと思ってたんだけどね」
「けど?」
「さっき佐伯くんにも誘われたから――」
「それだけはダメだ」
「まだ何にも言ってないよ?」
「ゴメン」
俺……気走り過ぎたかな?
「あ、もしかして今朝の事妬いてるの?」
「妬いてなんか――」
「祐希くん、顔真っ赤か~」
「うるさい!!」
互いに顔を見合せ、吹き出してしまった。
コイツには隠し事なんか出来ねぇな(苦笑)
「みんなで見ようって話しになったの」
「みんな?」
「そう。祐希くんたちバスケ部さんは、屋上で打ち上げ兼ねてでしょ?」
「うん」
「だからね――……」
河川敷の方が見応えあるんだけど、いつしか屋上で見るのが風習となった。
彼女たちも、俺らに便乗するらしい。
それは構わない。大勢いるほうが、賑わいもちがうからな。
問題は武瑠が来るって事だ。