COLORS番外編 ★ 夏色
カランコロン カランコロン……
隣で歩く下駄の音が、狭い路地に響き渡る。
「ねぇ、私たち彼カノっぽく見えるかな?」
「どうなんだろな?」
「最近祐希くん冷たいね」
それはお前だろ?と思ったけど、口には出さないでおこう。
せっかく朝のギクシャクした感じが取れたんだからな。
駅前の本屋の前につくと、見覚えのある影。
「李樹くん、久しぶり~」
その影の正体に初めに気が付いたのは、涼香だった。
「スズカ先輩、どうもです」
「花火、行くでしょ?」
「いや、俺は……」
「リキ~、お待たせ♪ お友達?」
店の中から見知らぬ、小麦色に焼けた肌の女が出てきた。
俺たちを見て李樹に問いかけている。
ってか、君誰?
「先輩とその奥さん」
「へ、へえ…」
って、信じるなよ?
「いえ、私たちはお付き合いしているだけです」
ナイスフォロー
「李樹くんの妹さん? 可愛いね」
「えっ!? お前妹いたっけ?」
「あの……」
「コイツは俺より5つ上だよ。でもって、相棒」
「あ、七海です」