アリスの作り方


そう見惚れてしまったのだ。
少年が突進してくる事を忘れてしまうほどに。

少年のほうも少年のほうで私に気付かないのか、よける素振りを見せずにスピードも下げずに突進してきた。


あわてて私はよけようと思ったがそんな時間などなく、気付いたときには思いきりぶつかっていた。



「いたっ……くない」


思い切りぶつかったハズなのに痛くない。
何故だろうそう思いながら恐る恐る目を開けると美少年が私を庇って下敷きになっていた。

ぶつかる瞬間私を抱きしめて後ろに倒れたみたい。
この美少年かなり運動神経が良い?

そう思いながら、彼と目が合うと彼は白い肌を真っ赤にして私から思い切り離れた。


「いたっ」


急に離れたせいか、私はバランスを崩してシリモチをつく。


お尻が結構ひりひりする。
一瞬顔をしかめてから少年の様子を見た。


「……」



少年は未だに顔を赤くしながら、困惑した表情で私のことを見ていた。

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