アリスの作り方
「大丈夫?」
「……」
少年を見上げながら言うが、彼はまるで言葉が通じていないのか何も言わない。
赤い瞳に色白い肌……
外人ということも考えられる。
「そうりぃ」
英語とはいえない英語で話す。
ルイなんて外人のような名前をしていても私はハーフなんかではなく、平凡な純正日本の女子高生。
お世辞にもいえない自分の英語を少し恥ずかしく感じながらも少年を見ると、奇妙な表情でこちらを見ていた。
伝わっていない?
もし英語で話せと思っているのなら、あなたがもう少し日本語を勉強して欲しいとしかいえない。
この中途半端な状況に対し、どうすればいいか分からず、しばらく少年を怪訝に見ていた。
関わってしまった以上今から知らない振りは出来ないし。
そんな風に思いながら少年を見つめていると、まばたきを一回し、それから口を開いた。
「僕が……見えるの?」