アリスの作り方
そう野原が……。
野原……。
野原!?
どういう事だ。こんな所、私の地元には存在しない。
どうやってここに来たのだろう?
思い出そうとするがその度に頭に激痛がはしる。
開いた左手で頭を摩りながら少年を見ると、相変わらず私の右腕をつかんだまま何かを探すようにあたりを見渡している。
それも束の間で、少しすると少年は何かを見つけたらしく再び何処かへといまだ握ったままである私の右腕をひっぱりながら向かった。
「ここです」
再び止まった場所はこの野原の中一際目立つ大きな木。
木の根元には何処までも続いていきそうな深い穴があった。
穴が気になりその深さを恐る恐る見て見ると、見ているだけで足が震えてしまう。
謎の穴まで連れてこられた私。
嫌な考えが頭をかするが考えたくも無い。