アリスの作り方

「ここのお茶会は普通の人は入れないの」
「そうそうだからお茶会の場所を知っている人から教えてもらう必要があるの。それが紹介」


まるでSNSのようなお茶会だ。
やっぱり不思議の国、お茶会も普通ではない。


「お姉さんはチェシャからここの場所を教えてもらったんでしょう。それが紹介」


順番に話してから、ミツキ君が補足する。わかるようでわからない感じだ。
まあ私がチェシャから教えてもらったからお茶会に来れたということだろう。


「……。」


私がお茶会の事を考えていたら、ボウ君が私を黙々と見つめていた。


「どうしたの」


何か言いたそうなボウ君にたずねると、重々しく口を開いた。


「お姉さん……アリス?」


ボウ君の口から意外な名前が発せられた。


「えっ……。」


その瞬間顔が引きつる。


「やっぱり……そうみたいだね。わざわざ隠すことではないのに」
「なんで気づいたの?」


こんな子供に正体がばれるとは思わなかった。


「チェシェが紹介したのもあるけど……まぁ色々。固定観念に縛られてはいけないということだね」


クスリとまるで何かを悟っている大人のように冷笑しながら言った。
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