アリスの作り方
「なっ……。」
なんて生意気な子なんだろう。
目の前の美少年の口から発せられる言葉の一つ一つに唖然とする。
「戸惑っているの?お姉さんって可愛い」
そんな私に対して彼は目を細めて、大人びた笑いをした。
子供には合わないその態度に畏怖にも似たものを覚え吸い込まれていくようだった。
「ボウずるーい」
放心状態の私を元の世界に戻すような甲高い声が頭の中にカーンと響いた。
「ミツキ……くん」
声の主であるミツキ君を見るとムゥッと頬を膨らませながらボウ君を可愛らしく睨んでいた。
「そうだよ。お姉ちゃんを独り占めしてさ」
それに対して私の左腕を振り回すようにヤマネ君が続けた。
「……ったく。お前達はなんでそんなに懐いているの?」
まるで子供が自分の玩具をとられたように機嫌の悪そうに言うボウ君。
二人が私にとられてやきもちでも焼いているのだろう。
だからと言ってそんな不機嫌な表情をされても困る。