アリスの作り方


「だって……お姉さん」
「可愛いんだもの」


ボウ君のそんな表情には気にしないで私の事を言う二匹。
頼むからボウも好きだよなんて、主人を敬う事を言って欲しい。


それよりも


「可愛いって」


この子らは私の事をどう見えているのだろう……二人の続く言葉を聞く。


「だってお姉さん僕たちのこと可愛いって思っているんでしょう?そこが可愛い」


上目遣いで続けた二匹の言葉に呆気に取られた。


「?」


えーっと……


それはどういう意味なのだろう?


「そこの二匹自分の事を把握して行動しているから」


蚊帳の外で少し不機嫌なのだろうか、毒づくようにボウ君が補足した。


「……えーっと」


そういわれた瞬間、この二人の笑顔が裏のあるようなものに感じ、視線をボウ君へと移すと、面白そうな表情で私を見ていてなんかむかついた。


「わかった?」


憎たらしい表情で私をみるボウ君……


「まいりました」



両手を挙げながら観念するように言った。


< 144 / 293 >

この作品をシェア

pagetop