アリスの作り方
「お姉さんは面白いなぁ……それよりお姉さんはどうしてここにいるの?」
クスリと私を馬鹿にするような微笑をすると、思い出したように急に話をかえた。
「どうしてって」
急に話を振られた為に少し考えてみるが
確か……
チェシャに紹介してもらったという話はさっきしたはずだ。
「だって過保護で救世主依存症なウサギさんがいつもいるって話だったから」
ティックのことだろう、それにしてもすごい言われようだ。
さっきから聞いていて思ったのだが、この子はかなりの毒舌だ。
「ウサギさんとはぐれちゃったのよ」
チェシャとは違い、頭の良くて意外と親切そうなボウ君なら何かを教えてくれると思い、今までのチェシャに会う前の出来事を簡潔に話した。
「ふーんはぐれちゃったんだ?」
私の話を聞くと小馬鹿にしたように口元を吊り上げ笑った。
「どうして疑問?」
語尾を下げて話すのが不思議だった。
「お姉さん、はぐれたと思っているんでしょう?」
「そう……だけど」
何が言いたいのだろう、再びクククと声を出しながら笑った。
「たぶんこの状況になったのはぐれたからじゃないよ。たぶん……王子様が原因だよ」