アリスの作り方
「さて完成。これお姉さんにあげるよ……その代わり……。」
何か書かれている紙をヒラヒラと見せながらボウ君が言ってくる。
「その代わり?」
ここの住人はギブアンドテイクがきっちりしているのか、さっきのチェシャと言い、何かを要求してくる。
「たまにお茶会に来てよ。アリスだなんてこれ以上面白いゲストはいないから」
クスリと紅茶を見ながら笑うとチラリと二匹を見た。
「そうだね、お姉さんと一緒の方が面白いからね」
「面白いからね」
ミツキ君に続いてヤマネ君が言うとボウ君が私の入ってきたドアへと向かい、ドアを開けた。
「ここから歩いてすぐだから」
ボウ君に促されて扉の先を見ていると、そこには先程同様に森が広がっていた。
「ありがとう」
ボウ君に礼を言い、先を進もうと思うが私の両腕にはうるうるとした表情で私を見つめている二匹。
“お姉さん行かないで”
彼らがそういっているように感じ簡単に引き剥がせなかった。