アリスの作り方


「アリスちゃんに会いにきたんだよ。隊長と一緒にね」


私と目が合うとそう満面の笑みをしながら近くにある木を見た。


「お前はなんでこいつに関わろうとする」


するとそこから少し気まずそうにしながらスペードさんが出てきて、私に会いたくないようで私から目線を外しながら言った。


「えーだって隊長、俺アリスちゃんの事好きだから」


相変わらずジョーカーさんは冗談しか言わない。

ボウ君が言っていたがこの世界では女の子が珍しいから、女の子に軟派な態度をとるのだろう……けれどその軽い態度が親しみやすく感じ、嫌というわけではなかった。


「ジョーカーさんは相変わらずですね」


そんな彼をみると
「えーアリスちゃんってば、冗談に思っている?俺本気なんだよ」
なんて言うが、相変わらずニコニコと笑いながら言っているためにそうは思えない。

女友達に大好きという男の子って感じだ。


「本気だとそんなに軽く言わないですよ」


微笑みながらそう言うと、えーっと少しすね気味にジョーカーさんがいじけるような視線を私に送ってきた。

このやり取りが少し前の私のいた世界での日常のように感じとても懐かしい感じがする。


「それにしてもお前……この前俺に殺されかけたの覚えていないのか?」


そんな私達にまるで自習中に雑談する生徒を注意する先生の様に言い出した。


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