アリスの作り方
「ジョーカーさんは……好きだけど……その友達というか……。」
好きという感情さえまだよく分かっていないのからはっきりと言えない。
自分はジョーカーさんの事が好きだ。
けどそれは恋愛対象としてではないはずだ。
「じゃあ……恋人にしたいとかそんなんじゃねぇって事だな」
「う……うん」
スペードさんの妙な迫力に押されるように勢いで返事をした。
別に……嘘をついてはいないが、それでもジョーカーさんが気にかかりチラリと視線を送ると、やはりなんか物凄く暗い表情で私を見ていた。
「え……っと、そのごめんなさい」
謝った所でなんとかなるわけではないので、がーんという効果音が似合いそうな表情で未だに私を見つめていた。
「う……えっと……その」
「お前はこいつを困らせて楽しいのか?」
スペードさんが困っている私に何故か勝ち誇ったような笑みをしながら、助け舟を出してくれた。