アリスの作り方
私は……一人になりたかった。
私を物のように扱う予言。
もしかしたらまわりのティック、ビルさん……チェシャやボウ君でさえも、私を“アリス”としか見てくれていなかったのだろうか。
“ツゥー”
そう考えると涙が溢れてきた。
私を“アリス”ではなく“ルイ”としてみてくれた人はいなかったのだろうか……。
「うっ……ぐっ……」
このまま一人でいたい……。
私の涙がかれるまで……
もしくは全てが終わるまで。
「うっ……ひっく……ひっく」
もう……誰にも会いたくない……
私のまわりが嘘で作られているようで何も見たくなかった。
「どうして……泣いているの?」
後ろから急に声がした。
少しだけ記憶ある声。
確かさっき……
敵だと言っていた王子って人だと思う。