アリスの作り方
地上というのだろうか地下というのだろうか、この落下の終わりは私の人生の終わりを表しているといっても過言ではないだろう。
『ごくりっ』
生唾を飲みながら、思いっきり目をつぶった。
(16年間長いようで短かったな)
哀れみにも似た自分の最後を振り返るように私は終わりへと向かった。
だが……。
“ストン”
そんな私の覚悟を知って知らずか軽い足音とともに着地した。
今までの深さからは想像つかない軽やかな音で……。
「……」
なんと言えばいいのかわからないもやもや感が歯がゆく胸の中に生まれた。
「……」
それでも少しずつ落ち着いてきたせいか、状況が少しずつわかってきた。
私は何故かわからないが生還したのだ。
(生きてる……生きてる……)
緊張感が解けたのかペタリと座り込みながら今まで落ちていた上を見あげた。