アリスの作り方
やはり明かりは見えない……
それ程高いところから落ちたのだろう……。
そんな高いところから落ちて無事生還だなんて奇跡のようである。
それにしても私は今どんなことに巻き込まれているのだろう。
状況を把握するため辺りを見回すと、そこは洞穴のような暗い場所、そして何故か存在しているここには不釣り合いな綺麗なドアがあった。
そこから漏れる光でまわりが見えているようだ。
一通りみまわしてから次に少年のほうを見てみる。
薄暗いせいか表情ははっきりと見えないがそれでも少年がいる事だけは、なんとなくわかる。
私の視線に気づいた少年が急に敬うように頭を下げた。
「ようこそお越しくださいました。我等が救世主アリス様」
それから顔をあげ、恭しく口を開いた。
彼の言っている意味がよくわからなく、理解するまでに少し時間がかかった。