アリスの作り方

真実を知ったあの日からしばらく、私は平穏に生活していた。

ティックは私に対して、未だに敬語だが、それでも私の事を名前で呼んでくれたおかげかもしれない。彼らとの間に感じていた距離も少しづつ縮まってきて、少しだけだが自分の居場所を見つけた様だった。


優しいお兄ちゃんたちに囲まれ、救世主と言う感覚が無くなる程にのんびりとした空気が漂いそうな感覚だった。


ただ少し違ったのは今までは真実を知らなかったが、真実を知ったからか、責任と言うものがより強くなった。

そのせいか、のんびりとした感覚に身を委ねる事無く、時間があればティックやビルさんに稽古をつけてもらっていた。


本物の救世主になれなかったとしても、出来る限りの事をしなければならない気がしていた。


けれど彼らとはあれ以来会っていなく、それが実践で活躍する場などなく私の力がついているのかとは思うのは疑問だった。


それでもティックやビルさんが私の実力が上がってきたと言ってくれから、少しは着いているのかもしれない。


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